理学療法士の新宅です。
「腫れ」と「むくみ」の違いってよくわからないという方が多いのではないでしょうか。
今回は膝を例にしてその違いを説明させていただきます。
足がむくむのは女性に多い症状ですが、膝がむくんでいる方は注意が必要かもしれません。
膝のむくみは、いわゆる膝に水が溜まった状態で、むくみではなく腫れているのが原因の場合があります。腫れている場合は適切な対処をしないと痛みが出てきたり強くなったりする場合があるので注意が必要です。
そもそも「腫れ」と「むくみ」を同じに考えている方が多いかもしれませんが、2つは違う意味を表しています。
腫れは炎症に伴って起きるもので、炎症が起こると血管が広がり血管の外へ血液成分が漏れ出すことでいわゆるむくんだ様な状態になることを指します。
いっぽう、むくみは足から心臓へ向かう静脈やリンパの流れが何らかの原因で妨げられて起きるものを指します。
両者の大きな違いは「炎症」の有無です。
実際、腫れとむくみの両方が同時に起こっている場合もありますが、腫れの場合は痛みを伴うのが特徴です。
膝の腫れと痛みを伴う怪我や病気として以下のようなものがあります。
・変形性膝関節症 ・関節リウマチ ・痛風 ・半月板損傷 ・靭帯損傷 など
上記の怪我や病気がなくても筋力低下や関節の固さなどにより、軟骨がすり減ったり半月板や靭帯に微細な傷を作ることがあります。それによって関節の中あるいは周りに炎症が生じます。
関節の中は関節液という液体で満たされており、炎症が起きると関節液が増え、関節の中がパンパンに膨れている状態になります。その刺激で痛みを感じることになります。
水風船がパンパンになって引き伸ばされているイメージです。
そのような状態を放置していると痛みの増強や慢性化につながるリスクがあるので以下に当てはまる方は自分で判断せずに、まずは整形外科を受診してから方針を相談することをおすすめします。
・突然出現した腫れ、痛み ・腫れや痛みの出現したきっかけが明らかである ・我慢できないほどの強い痛み ・生活に支障があるほどの痛み ・常に痛く、楽な姿勢や時間帯がない ・膝以外に太ももやふくらはぎにも痛みが広がっている ・痛み始めてから1ヶ月以上経っている
最後までお読みいただきありがとうございました。