最近ご質問頂きました!

投稿者:staff
投稿日:2024年07月03日

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梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

最近度々患者様に骨密度の質問を受ける事があります。

検査の費用だったり、検査の方法だったり…。

そこで、以前にも少し骨密度について触れた事はあるのですが、お伝え出来ればと思います。

◎骨密度検査の方法は?

  • MD法 : 手のレントゲン撮影をする際に、アルミニウム板と一緒に撮影し、骨とアルミニウムの移り方の濃度を比べることで、骨密度を推定します。
  • 超音波法 : 主に足のかかとの骨に超音波を当てて測定します。X線を使用しないため、妊娠中の方でも測定可能です。検診などでよく使用される検査です。
  • DEXA法 : エネルギーの低い2種類のX線を使った測定方法です。一般的には腰椎と大腿骨の付け根のところで測定します。正確な骨密度の測定が可能で、最も信頼できる検査の方法です。当院ではこのDEXA法にて骨密度を測定しています。

今回は骨密度測定の結果の見方についても少しお話ししましょう。

骨密度検査の結果はYAM値(若年成人比較%=若年齢の平均骨密度値を100%としたときの被験者の%)、簡単にいうと若い人の基準と比べたときにどれくらいの骨密度があるかという表現として表します。

骨粗鬆症と診断されるのは次の通りです。

  1. 大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)や、脊椎圧迫骨折(背骨の骨折)を受傷したことがある場合。これらの骨折をした方は、骨密度の結果にかかわらず、骨粗しょう症と診断されます。
  2. 大腿骨や背骨以外(手首や肩、肋骨など)の複数の骨折を受傷したことのある方でYAM値が80%未満の場合。また、YAM値が70%台でも複数の骨折を受傷したことがある場合は骨強度が落ちている=骨粗鬆症と診断されます。
  3. 上記にかかわらずYAM値70%未満の場合。骨密度そのものが低下しており、非常に骨折しやすい状態になっていると考えられます。

骨粗鬆症と診断がついた方の骨代謝状態などを評価し、その人に合った治療をしていくための重要な検査として血液検査も必要不可欠となります。

◎骨代謝マーカーとビタミンD

骨は溶けて新しい骨を作ってと常に新陳代謝が行われています。骨が溶けすぎると骨がもろくなり、新しい骨がよく作られていると、骨が蜜に出来上がります。骨の代謝は骨を融解(骨吸収)する破骨細胞と、骨形成を行う骨芽細胞によって行われています。

  • 骨吸収マーカー :  骨が溶ける量の指標(骨を溶かす破骨細胞に関するマーカーで、数値が高値であれば骨が溶けすぎている状態です) TRACP-5b、NTX(尿)などがあります。
  • 骨形成マーカー : 骨を作る量の指標 P1NP、BAPなどがあります。
  • ビタミンD : 骨・ミネラル代謝の維持に重要な要素 血清25OHビタミンD

これらの検査(一部ですが)をすることにより、骨粗鬆症の診断、適切な治療につながります。

最後に、当院で行われているDEXA法の検査費用ですが、全額負担の場合4,500円程度1割負担で450円程度3割負担で1,350円程度になります。

毎年健診で背が低くなって来ている方、骨折を繰り返されている方、年齢的に不安に思ってる方、お気軽にご相談下さい。

今年の夏も厳しい暑さが続くようです。水分補給もしっかりして、冷房で身体を冷やしずきないようご留意くださいね。

看護師永田でした。